桜新町 濱岡ブレストクリニック(東京都)

桜新町 濱岡ブレストクリニック(東京都)

桜新町 濱岡ブレストクリニック(東京都)
院長:濱岡 剛 先生と当 NPO 法人副理事長:増田 美加 氏

●「高濃度乳腺とはなんでしょうか?」

増田
濱岡先生、本日は、私たちが疑問を感じている高濃度乳腺について、お聞きしたいと思います。
まず、高濃度乳腺とは、どういうものなのか、教えていただいてもよろしいでしょうか。

濱岡先生
乳房は、おもに乳腺と脂肪組織でできていて、人それぞれ体格が異なるように、乳腺も多い人と少ない人がいます。乳腺の密度が高くて、量が多い人は高濃度乳腺になります。脂肪組織が多い人は脂肪性の乳房といいます。また、乳腺量は年齢によっても変化をします。
若い人は高濃度乳腺の割合が多い傾向にありますが、何歳までが高濃度乳腺であるというように年齢による線引きはできません。

乳腺組織は、年齢を重ねると脂肪に置きかわり乳腺量が減っていくことが多いです。しかし、個人差がありますので、70代で高濃度乳腺の人もいますし、20代で脂肪性の人もいます。

20代の人の乳腺は高濃度乳腺であることが多いので、マンモグラフィでは詳細な評価が困難で超音波による検査が向いていると一般的に言われています。また、60代を超えると脂肪性乳腺の人の割合が高くなるためマンモグラフィでも十分に評価できるという傾向があります。しかし、乳腺濃度は個人差が大きいので、年齢のみでは判断できません。

●「自分の乳腺濃度を知るにはどうしたらいいのですか?」

増田
乳腺濃度には個人差があり、必ずしも年齢に関係しないのであれば、私たちは、自分が高濃度乳腺かどうかはわかりにくいですね。自分の乳腺濃度を知るにはどうしたらよいのでしょうか。

濱岡先生
確かに、一般の人は、自分ではわかりにくいと思います。
マンモグラフィで乳房の撮影を行なうと、乳腺が白く脂肪が黒く見えますので、高濃度乳腺かどうかがわかります。また、超音波検査でも乳腺濃度を確認することができます。画像を見せてもらいながら、結果を教えてくれる施設で、一度、乳がん検診を受けてみて、検診結果だけではなく自分が高濃度乳腺かどうかを質問してみるのもひとつの方法です。
乳腺濃度の違い(マンモグラフィ画像)
写真:乳腺濃度の違い(マンモグラフィ画像)
上の写真のように、脂肪性と高濃度はマンモグラフィでは全く異なる画像になります。

●「自分が高濃度乳腺とわかったらどうすれば?」

増田
高濃度乳腺については、よく理解できました。
でも、私たちが受けている自治体の検診や職場の検診では、「異常なし」や「経過観察」というように、結果だけが知らされることが多いです。実際は、乳がん検診を受けた人は自分が高濃度乳腺なのか、知らせてもらえていないというのが現状です。

濱岡先生
そうですね。現状の乳がん検診では、たとえその人が高濃度乳腺であったとしても、そのことをお知らせするということにはなっていません。

先程の写真のように、高濃度乳腺の人は、マンモグラフィの撮影を行なうと、全体的に白い画像になります。そうしますと、しこりが見えにくく、この検査だけでは、不十分なのですが、このような情報もお知らせできていません。また、高濃度乳腺の人も、超音波の検査を追加することにより、乳腺の中にあるしこりが見つけやすくなる可能性もありますが、その情報も知らされていないというのが現状です。

増田
高濃度乳腺の人は、マンモグラフィの検査だけでは不十分であるということがわかれば、私たち自身も自分が高濃度乳腺なのかどうかを知りたいと思います。そして、もし、自分が高濃度乳腺だったら、どのようにしたらよいのか、という疑問が生じてきます。自分が高濃度乳腺であるということがわかったら、私たちはどうしたらよいのでしょうか?

濱岡先生
まず、自分が高濃度乳腺だという情報を得られたときには、マンモグラフィだけでは不十分だと思ってください。超音波ができる施設で検診を受けることをおすすめします。たとえ、マンモグラフィで検診を受けて「異常なし」という結果が出ても、高濃度乳腺であることがわかった場合は、超音波検査を受けることをおすすめします。

ここで内容を整理しておきたいのですが、高濃度乳腺の人が「超音波の検査も受けたほうがよい」と言われたときに、短絡的に「マンモグラフィを受けなくてもよい」と考えるのは間違いです。
実際に、このような説明をさせていただくと、「私は超音波検査だけでよいのですよね?」という人もいらっしゃいますが、高濃度乳腺だからマンモグラフィを受けなくてもよい、というのは危険です。石灰化を見つけるにはマンモグラフィは、超音波よりも適しています。高濃度乳腺の人には、超音波検査は重要ですが、石灰化など超音波で発見しにくい乳がんをチェックするために定期的にマンモグラフィも行なうことをおすすめします。

増田
私も高濃度乳腺で、マンモグラフィの画像では全体が真っ白に見えました。そのときは、高濃度乳腺という言葉はありませんでしたが、私はマンモグラフィと超音波を組み合わせて受診していました。結果的に、マンモグラフィで石灰化が見つかり、がんがわかったので、高濃度乳腺でもマンモグラフィが必要であるということを実感しています。

濱岡先生
そうですね。乳がん検診を受診する人全員がマンモグラフィと超音波を両方受けることができればよいのですが、自治体の予算には限りもありますし、検診を行なう施設側にもマンモグラフィと超音波の両方の検査をするためのキャパシティにも限界があります。
それが難しい現状では、増田さんが着目をされているように、マンモグラフィ検診を行なう人の中で、どの人を積極的に超音波も受けるようにしたらいいのか、そのひとつは、高濃度乳腺であるという点を議論してもよいと思います。
これは、「Are you dense?」の啓発活動から始まっていて、面白い点に着目されていますね。

増田
闇雲に、「マンモグラフィと超音波の両方を受けましょう」というのは、果たして正しいのか...と疑問に思っています。無駄な検診は、受けないほうがいいわけで、費用だけではなく、時間も私たちの負担になりますので、必要な人が必要な検査だけを受けられるようになればと思います。

濱岡先生
乳がん検診は、生存率に対するベネフィットが統計学的に出にくいものですし、全員に同じ検査をすることが、結果的に生存率の改善に繋がらない可能性が高いわけです。その人の状態に応じて、適材適所で検査するのが医療費の観点からも効果的だと思います。

●「桜新町 濱岡ブレストクリニックの乳がん検診では」

増田
濱岡先生は、クリニックで検診を受けた高濃度乳腺の方に実際どのようなお話をされているのでしょうか?

濱岡先生
患者さんには、高濃度乳腺という言葉は用いていませんが、「マンモグラフィだけでも見えるしこり」と「超音波のほうが見えやすいしこり」があるということを説明しています。どちらも万能ではないので、希望に応じて超音波検査をしたほうがよいことをお伝えしています。私から「超音波検査の追加が必要です。」とお願いする場合もあります。
高濃度乳腺という言葉自体はまだ一般的ではないので、例えば「マンモグラフィよりも、超音波のほうが見やすい乳腺なので」とか、「マンモグラフィではわかりにくい乳腺なので」というような言葉で説明をしています。

増田
濱岡先生の説明を聞ききながら、自分のマンモグラフィの画像を見せてもらえるのですね。患者にとってわかりやすいですね。それに、超音波が必要となった場合、濱岡先生のクリニックではすぐに検査を受けられるのはありがたいですね。

濱岡先生
当院では幸い、すぐに超音波の検査ができますので、改めて、別の日に予約を取って受けていただく必要なく、その場で検査ができる体制を整えています。患者さんにとっては便利かもしれません。

増田
それが濱岡先生のクリニックのような乳腺専門クリニックのよさですね。私たち患者の身になったクリニックです。

濱岡先生
一般の検診施設では、患者さんは一度も自分の画像を見ることはなく、医師の画像の説明もなく、結果をお送りするという場合が多いです。その人が高濃度乳腺であっても、特に不安を感じません。
医師も現状の規約に沿って正しい診断をしているということになります。

マンモグラフィだけで大丈夫という人もいれば、超音波も追加したほうがよいと思える人もいます。
私は、患者さんと一緒に画像を見て診察をしていますから、診察時に画像を見ることによって「マンモグラフィは高濃度乳腺で見えにくいから超音波を追加しましょう」とお伝えすることができます。
また、マンモグラフィも超音波も、前回の画像を見ながら説明をすることで、患者さんも納得しているのが分かり、私自身も安心できます。

増田
実際に画像を見せてもらえば、私たち患者も、この画像では病変が見えていないだろうということが具体的にイメージできます。画像を自分で見られるということは、非常に大切です。マンモグラフィの画像を全く見たことがない人は、「高濃度乳腺...」と言葉で説明されてもわかりません。

濱岡先生
これからの活動のひとつのポイントとして、一般の検診を受けている人たちにも正しい情報が伝わり、適切な検査が受けられるようにしていけたらよいですね。

増田
私たちBCINでは、ガイドラインのようなものをつくって、高濃度乳腺の人を拾い上げられるような検診結果の出し方を工夫できるように持っていきたいです。人間ドックのような検診施設で、乳がん検診を受けている人に対しても、高濃度乳腺の人に対して、「超音波の検査も受けましょう」といってもらえるような啓発が大事だと思います。
濱岡先生、今日はどうもありがとうございました。

“Are You Dense?”® は、Are You Dense, Inc. の登録商標です。

■濱岡 剛(はまおかつよし)先生
濱岡 剛(はまおかつよし)先生

ご略歴
1991年 兵庫医科大学 卒業
1991年 神戸大学医学部附属病院 第一外科
1992年 兵庫県立加古川病院 外科
1995年 神戸大学医学部大学院 入学
1998年 癌研究会研究所 乳腺病理 国内留学
1999年 神戸大学医学部大学院 卒業
1999年 淀川キリスト教病院 外科
2000年 兵庫県立がんセンター 外科
2002年 University of Texas M.D. Anderson Cancer Center Department of Blood and Marrow Transplantation / Breast Medical Oncology
2005年 聖路加国際病院 乳腺外科
2009年 桜新町 濱岡ブレストクリニック 開設

所属学会
日本乳癌学会
日本乳癌検診学会
日本臨床腫瘍学会
日本外科学会
American society of clinical oncology

資格など
医学博士
日本乳癌学会乳腺専門医
マンモグラフィ読影認定医
日本外科学会専門医

■桜新町濱岡ブレストクリニック
桜新町 濱岡ブレストクリニック(東京都)
左) 桜新町 濱岡ブレストクリニック
右) 診察室 (上のモニタの前回の画像と比較して検査を受けられます。)

住所 〒154-0015 東京都世田谷区桜新町2丁目9−6 電話番号 03-5426-2848
URL http://www.breast-clinic.com/
最寄駅 東急東横線 桜新町駅 西口

診療時間
【休診】木曜・日曜・祝日(木曜:聖路加国際病院勤務)